クマに警戒、ブナの実が大凶作の予測 秋田など

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 東北森林管理局はことし秋のブナの結実の予測を発表し、秋田については、実がほとんどない大凶作としました。関係機関ではクマの出没が増える可能性が高いとして、警戒するよう呼びかけています。

 東北森林管理局は福島を除く東北5県の145か所でブナの開花状況を調査し、秋の結実の予測を判定しています。

 11日の発表によりますと秋田では、51の調査地点のうち、花がまったくついていなかったのがおよそ7割の36か所に上り、ごくわずかに花がついていた13か所をあわせると、96%となりました。

 対して、木の上の方に多くの花がついていた、それに木全体にたくさんの花がついていたのは、それぞれ1か所ずつでした。

 このため、ことし秋のブナの結実の予測について、4段階のなかの最も少ない大凶作と判定しました。

 また、ほかの4つの県もすべて大凶作の判定です。

 秋田の大凶作の判定は、おととし以来です。また直近10年で大凶作の判定は、4回めです。

 ブナの実は冬眠前のクマの重要な栄養源のため、凶作の年はクマがエサを求めて人里に出没する傾向にあります。

 実際におととしに鹿角市内では、例年減る傾向にある10月の一か月間だけで前の年の1年間の総数を上回る134件の目撃があり、人身事故は9月からの3か月間に10件相次ぎました。

 鹿角市農地林務課では、「秋にクマが里山、畑、集落の食べ物に寄ってきて、一度執着すると、食べ尽くすまで通ってくるおそれがある」と指摘しています。

 そして、「例年はクマがいないからと油断し、ばったり遭遇して人身事故につながる危険性がある。実った作物を早めに収穫する、刈り払いをして見とおしを良くするなどの対策をとるとともに、クマが来ていないか、異変に気付けるようにしておいてほしい」と呼びかけています。