国内最速の2030年までに二酸化炭素の実質排出量をゼロにする目標をたてている鹿角市で植樹祭が行われ、二酸化炭素の吸収の促進に市民が参画しました。
鹿角市が目標にしている、国より20年早い2030年までのゼロカーボンの達成では、森林の適切な管理も条件にしていて、実現できれば、市内の二酸化炭素の排出量のおよそ3分の2を森林が吸収できると試算しています。
緑を大切にする機運を高めようという植樹祭が10日にあり、はじめに花輪東山の鹿角トレーニングセンターで開会式が行われました。
笹本市長は2030年のゼロカーボン達成をめざしていることを説明するとともに、「貴重な自然のすばらしさ、大切さをあらためて感じる機会にしてほしい」と述べました。
続いて参加者たちおよそ150人は、花輪越からおよそ2キロ東の上沼地域の植樹会場に移動しました。この地域は25年ほど前に牧場としての役目を終えましたが、風が強いことなどから、木が育っていない場所があります。
市街地でクマの出没が多発するなか、木を植えて森林に戻し、動植物の生態系を取り戻そうという狙いも込められています。
植樹は草地のおよそ10アールで行われ、参加者たちがブナやミズナラなどの苗木250本を植えました。
この日は花輪盆地や青垣山がくっきりと見えており、参加者たちはとびきりの眺望を楽しみながら、植樹をしていました。
参加していた30代の男性は、「景色もいいし、自然の中での植樹が気もちよかった。ここが緑豊かな森になってほしい」と話していました。
植樹祭を主催し、会場を選んだのは市ですが、この地域で民間による風力発電所の建設構想があるなか、市は現時点では賛否を表明していません。
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