目の前で熱演が見られる小坂町の芝居小屋の歌舞伎公演で、ことしの演目など詳細が発表されました。三代め、中村又五郎家の3世代の5人が、康楽館で初めてそろい踏みします。
町が松竹を招き行っているこの公演は、明治時代から残る国重要文化財の観光芝居小屋「康楽館」で一流の歌舞伎を披露しようと、施設が復興した翌年の昭和62年に始まったものです。
ことしは開催日が11月2日と3日で、出演者が三代め、中村又五郎と、長男の歌昇、次男の種之助の3人が中心ということは発表されていましたが、いよいよ演目なども明らかになりました。
顔ぶれは、親子3人に加え歌昇の長男、種太郎(9)と次男、秀之介(6)が名を連ねました。種太郎と秀之介もそろって康楽館の舞台に上がるのは初めてです。
中村又五郎は康楽館の歌舞伎公演で昭和63年の第2回を皮切りに、平成25年の三代め襲名の公演など、これまでに6回訪れているなじみの顔で、今回は6年ぶり。歌昇、種之助はともに6年ぶり、3回めです。
いっぽう演目は、芝居の「泥棒と若殿」と、舞踊の「お祭り」です。
芝居の「泥棒と若殿」は、立場のまったく異なる2人の同居生活がもたらす交流と絆を軸にした心温まる物語で、中村歌昇と種之助、又五郎の3人がそろい踏みします。
そして舞踊の「お祭り」は、江戸の風情と江戸っ子の粋な様子を見せる華やかな一幕で、3世代の5人が勢ぞろいします。
主催する康楽館歌舞伎公演実施委員会では、「臨場感たっぷりの康楽館で、大いに楽しんでもらえると確信している。町一体となって公演を盛り上げたい」としています。