鹿角市と小坂町の管内の労働市場は、求人倍率がおよそ10年ぶりに1倍台に接近した前の月からほぼ横ばいとなり、65歳以上の求職者の大幅な増加が影響しています。
ハローワーク鹿角の5月末時点のまとめによりますと、企業からの求人の数は621人で、前の月から31人減りました。
去年秋の県内での最低賃金の引き上げ以降、企業側で採用の抑制が続いています。
対して仕事を求めた人は569人で、前の月から33人減りました。
3か月前まで400人台が続いていましたが、4年ぶりの600人台となった前の月など、この年度末に一気に増えました。
ハローワーク鹿角によりますと、65歳以上の求職者が4月の前後で急増していて、全体に影響しているとみられるということです。
これらにより、仕事を求めた人一人に対し企業からの求人が何人あったかを示す有効求人倍率は、前の月を0.01ポイント上回る1.09倍となりました。
求人倍率は長年、1.3倍台から2.1倍台の間で推移していましたが、前の月におよそ10年ぶりに1.1倍台を切り、今回も続いています。
秋田県の平均は1.2倍、全国の平均は1.24倍です。
ハローワーク鹿角では、「継続雇用の期間が満了した人たちが一気に求職に動いたとみられる。また企業側で、物価や人件費の高騰を背景に、求人を減らす状況が続いている。企業に条件の緩和を提案するとともに、修正があった企業の情報を求職者に提供していく」としています。