鹿角市花輪で計画されている風力発電所の建設をテーマに、市民と議員が意見を交わす催しがあり、市民側が議員たちに対し、影響を調査するよう求めるなどしました。
鹿角市の中心市街地からも見える花輪上沼(うわぬま)では、2つの事業者が高さ200メートル前後の風車を20基程度建設しようと手続きを進めています。
鹿角市議会が市民の求めに応じて開く「市民と語る会」が5日夜、市交流センターで開かれました。
開催を要請した、計画中の風力発電所の建設の中止をめざす市民団体「青垣山の自然と景観を守る会」は、「事業の内容が十分に知らされていないまま、進んでいこうとしている。市民の代表がどのように考えているかを聞きたい」と開催の理由を説明しました。
はじめに議員一人ずつが建設に対する賛否を示し、出席した議員12人のうち、賛成が3人、反対が2人、検討中が7人と割れました。欠席した議員は6人です。
賛成した議員からは、「原子力発電から再生可能エネルギーの発電への切り替えが大事」「人口減少のなか、企業誘致につなげたい」などの意見が出されました。現在の計画地に固執する意見はなく、事業として必要とする考えが中心です。
対する反対者たちは、「健康被害や破壊される自然への警戒感を覚える」「建てる場所が納得いかない」などと述べました。代替案の提示はありませんでした。
いっぽう検討中とした議員たちは理由について、「メリット、デメリットをどう取るかが難しい」「情報が少ない」などと話しました。
ただそのなかでも、賛成の要素として、税収や雇用、経済波及効果などを挙げ、また反対の要素として、健康や環境負荷、景観、それに大湯環状列石の世界文化遺産登録への影響を心配していました。
市民団体側からは、「議員が情報をしっかり集め、市民に提示してほしい」「業者の調査で自分たちに都合がいい結果が示される懸念があり、チェックしてほしい」などの求めがありました。
(写真はクリックすると見られます)