大衆演劇の一座の座長と人気者が勢ぞろいする特別公演が小坂町の観光芝居小屋で始まり、贅沢な舞台にファンたちが見とれています。
これは、大衆演劇界のスター、松井誠さんの弟子たちでつくる劇団「下町かぶき組」による「座長花形祭り」です。
劇団は康楽館の常設公演の一翼を担っていて、ことしは20年めの節目となっています。
初日の5日午前の公演では、隣県のファンや東京の「ごひいきさん」などが桟敷をうめ、幕が開くと、顔見せの口上で勢ぞろいした役者を見て、「きゃー」と歓声を上げていました。
また、特別出演の師匠、松井さんがマイクを持ち、「初お目見えから20年が経ちました」としみじみ話すと、会場で大きな拍手が起きました。
のっけから、各一座の腕利きの座長、花形たちの踊りが数珠繋ぎで繰り広げられ、公演は華やかで、贅沢です。
切れと速さが勇ましい男舞踊、なめらかであでやかな女形のステージ、それに劇団の真骨頂の、笑いと涙を呼ぶ芝居に、歓声と拍手が送られていました。
圧巻は師匠、松井さんの舞踊で、槍を構える姿も、女形の切ない立ち居振る舞いも、ファンたちの目をくぎづけにしていました。
青森県十和田市から訪れていた50代の女性は、「座長、花形一人一人の個性を楽しめたし、松井さんにも会えたのでうれしいです。思い出になりました」と話していました。