クマ出没が異常事態「最大限の警戒を」 鹿角市

クマ出没が異常事態「最大限の警戒を」 鹿角市

 鹿角市がこの時期に、これまで経験したことがないほど、人の生活圏へのクマの出没が多発しています。市では、「いつ人身事故が起きてもおかしくない危険な状況」だとし、対策にあたるとともに、市民に最大限の警戒を呼びかけています。

 市のまとめによりますと、市民などから寄せられたクマの目撃の件数はことし、6月末までで84件にのぼり、平年のおよそ3倍となっています。

 なかでも先月は1か月間で、一日平均で3件近くにあたる84件あり、さらに今月に入ると連日のように、一日に10件近くの目撃が報告されています。

 市内では、おととし秋に市街地で過去にないほど多くの出没がありましたが、市は、その時に市街地への警戒が弱まったり、エサの味を覚えたりしたクマが再び出没しているとみています。

 これまでにないこの時期の目撃件数ですが、これはあくまで目撃者が、クマがいることに気づいた件数であり、人が気づいていない、いわゆる出没の件数は、これ以上の相当数と予想されます。

 そして人身事故のほとんどが、クマと人が思いがけずはちあわせになったケースであり、市は、「これまでは幸いばったり出くわしていないだけで、いつ人身事故が起きてもおかしくない危険な状況だ」と警戒しています。

 目撃された場所は、民家の敷地内や、学校の中庭、車がひんぱんに通る国道などあらゆる所で、なかには花輪や毛馬内の市街地を縦断、横断したケースもあります。

 鹿角市農地林務課では、「一人一人が自分の身に降りかかりうる災難と捉え、身を守る、情報収集に努めるなど、最大限の警戒をしてほしい」と呼びかけています。

 そして、外では単独行動を避け、音を出して歩くことをはじめ、生ごみなどを屋外に放置しないこと、周囲の見とおしを良くすること、家や小屋の鍵をかけることなどを求めています。 

ことし5月に住宅近くに出没したクマ(提供写真)
(写真はクリックすると見られます)