サラダや漬物などに欠かせないキュウリ。その東北有数の産地の鹿角地域でことし産の出荷が本格化し、出発式が行われました。
鹿角市と小坂町を管轄するJAかづのによりますと、管内のキュウリは40年ほど前から県内一、東北有数の出荷量を誇っていて、選別を手作業で行っているため品質も高く、市場で高い評価を得ています。
ことし産の出荷の本格化にあわせ、5日は鹿角市花輪大曲の選果場で、県北部の4つのJA合同による出発式が行われました。
県北地区園芸戦略対策協議会の副会長を務めるJAかづのの阿部浩一組合長があいさつし、「県北のキュウリは鮮度、おいしさで高く評価されている。地域一丸となって安定出荷をめざす」と話しました。
首都圏の市場に出荷されるキュウリを載せたトラックが出発したあと、参加者たちにふるまわれ、試食した男性は、「歯ごたえとみずみずしさがたまらない。口に広がるさわやかさは、夏にぴったりだ」と話していました。
鹿角管内ではことし、128軒の農家で、あわせて10.4ヘクタールで栽培されていて、豊作だった去年をさらに上回る千550トンの出荷が計画されています。
ことしの生育は、春先の日照不足で遅い出足となりましたが、その後順調に推移し、ここにきて昼夜の寒暖差にも恵まれ、品質も数量も良好だということです。
かづの農協の「きゅうり生産部会」は昭和47年度の発足から50周年を迎えていて、個々の農家の技術と部会内の和が高く評価されています。
兎澤弘樹部会長(50)は、「新規就農者が入ると、役員全員でサポートし、全体の生産量と技術の高さにつなげている。高齢化のなかだが、生産量とおいしさの評価が高い産地を維持していく」と話しています。
県北部のキュウリの出荷は先月22日に始まっていて、10月ごろまで、東京の市場などで販売されます。
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