注目選挙でも投票率、若い年代で低迷 鹿角市長選

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 鹿角市で4月に行われた市長選挙の投票率は、若い年代の低迷が鮮明に表れました。若者の参政意欲の引き上げが、変わらず課題になっています。

 今回の市長選挙は、鹿角市で初の前市長の失職という経緯や、立候補者が過去最多の5人で、そのなかに、これまで少なかった若い候補者が複数いることなどから、注目が集まるとみられていました。

 鹿角市選挙管理委員会が発表した5歳ごとの投票率を見ますと、40代後半以下の世代のすべてで、全体の投票率の58.4%を下回りました。

 なかでも10代後半が21.6%、20代前半が31.7%と極端に低く、20代後半と30代前半も40%台にとどまりました。

 最も高かった70代後半の73.6%と、最も低かった10代後半の21.6%では、52ポイントあまりも差がありました。

 いっぽう3年10か月前の前回と比べますと、全体の投票率が4.7ポイント下がるなか、唯一、当選した候補と同じ、30代後半が上がりました。

 また、およそ1か月半前に行われた議員選挙との比較では、すべての年代で下がりました。

 投票率の低迷について市は、「市政への関心が薄れていることと相関があるということは否定できない」としています。

 実際に、市が去年、高校生から30代までを対象に行ったアンケートでは、「市政に意見が反映されていると思う」「意見を伝えたいと思う」と答えた人の割合が、ともにおよそ20%にとどまっていました。

 市選挙管理委員会では、「注目を集めた選挙にも関わらず投票率が低下したことは、非常に残念。今後さらに検証を進め、対策を講じたい」としています。

 いっぽう、投票所の再編の影響とみる声があるなか、「投票率の低下が若い年代で大きい。投票所が遠くて行けないなど投票環境とは別の要因の影響が大きいのではないか」との見かたを示しています。