大湯環状列石で夏至の夕日 鹿角市

大湯環状列石で夏至の夕日 鹿角市

 鹿角市の世界文化遺産の縄文遺跡「大湯環状列石」の特徴になっている、2つの環状列石の延長上に沈む夏至の夕日を見ようというイベントが開かれ、訪れた人たちに忘れられない体験となりました。

 およそ4千年前に造られたとされる大湯環状列石には2つの大きな環状列石があり、その中心を結ぶ直線のほぼ延長上に夏至の夕日が沈むように設計されたと言われています。

 その夕日を見ようという催しがことしも22日にあり、内外からおよそ150人が集まりました。

 この地域で夏至は梅雨と重なることが多いため夕日が見られない年もあり、訪れる人たちをやきもきさせています。ちなみに去年までの過去10年間で、見えた年は5回です。

 ことしの天気は、数日前から予報されていた雨こそ免れたものの、曇りで、太陽がオレンジ色に見えるはずの、屋外イベントの開始以降も太陽は厚い雲の中でした。

 あきらめも口にされるなか、環状列石を来場者たちが囲んで記念撮影をしていると、あともう少しで日没というまさに土壇場で、雲の間から夕日が現れました。

 参加者たちはその美しい色に見入ったり、写真を撮ったりし、なかには「ありがとう」と叫ぶ人もいました。

 青森市から訪れていた50代の女性は、「縄文時代の人たちが夕日を待つ間、どのようにして過ごしていたのだろうと、想像を楽しんでいました。忘れられない夕日を見られました」と話していました。

 主催した遺跡のガイドグループ「大湯SCの会」の奈良祐治会長(67)は、「雨が降りそうで降らない。夕日が見られなさそうで見られる。大湯はそういう不思議さをもつ遺跡なのだと思う。この光景が未来永劫、続いてほしい」と話しています。

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