鹿角市の6月議会は17日、一般質問が行われ、前市長時代に市が掲げた、2030年までにカーボンニュートラルを達成するという目標について笹本市長は、「継続して取り組む」との姿勢を示しました。
鹿角市は3年前の3月、二酸化炭素の実質排出量をゼロにする「カーボンニュートラル」について、国の目標より20年早い2030年までに達成することをめざす宣言をし、各種の取り組みを進めています。
17日の一般質問で議員から、少子化や財政難などのなかで継続するかを問われた笹本市長は、「電力の地産地消などによる市民の暮らしと市内産業の安定性が向上し、市外から企業や移住者を呼び込み、地域が活性化することをめざしている。率先してCO2削減に取り組むことは、市のブランドアップにもつながる」とし、継続して取り組む姿勢を示しました。
いっぽう、介護人材の不足の状況について兎澤祐一議員に問われた市側は、「一定期間サービスの提供を休止している事業所も出てきているが、ほかの事業所が代替してカバーし利用ニーズには十分対応でき、大きな問題には至っていない。一部の事業所で外国人を受け入れているところもあり、今後も増えていくと捉えている」と説明しました。
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いっぽう、廃校の利活用の検討状況などを湯瀬弘充議員に問われた市側は、「旧草木小で1件、旧末広小で3件問い合わせがあったが、いずれも建物一部の希望であり、建物一体を基本とする市の方針と一致せず、利用につながっていない。なお、旧末広小は現在、地元企業から工場拡張に向けた利用相談があり、具体的に検討してもらっている」としました。
いっぽう、市長が示す鹿角高校の魅力向上の取り組みを成田哲男議員に問われた市側は、「少子化で今後も定員割れが危ぐされるため、生徒や保護者から選ばれる学校になるための魅力化が重要だ。今年度は岩手県の大槌町と大槌高校を視察し、ビジョン策定の検討を進めていく」と答えました。
いっぽう、風力発電を想定し、景観条例の大湯環状列石の眺望ゾーンの指定を西側のみから360度に変える考えを丸岡孝文議員に問われた市側は、「持続可能な社会の実現で、美しい自然との調和も重要ないっぽう、エネルギー政策を推進し市の財政基盤を強化することも重要だ。市の政策はバランスが必要で、規制は必要最小限にとどめるべき」としました。
いっぽう、クマ対策で市が4月に設けた管理強化ゾーンの運用について舘花一仁議員に問われた市側は、「生息調査などから5カ所決定し、秋に集落周辺の山間部で、箱わなを使用した捕獲強化を予定している。捕獲の際は作業道を閉鎖するなど、住民に危険が及ばないよう配慮する」と説明しました。
いっぽう、鹿角高校への給食提供を提案した赤坂勲議員に対し市側は、「調理員、配送車などを増やす必要があるほか、校舎内の配膳室の整備、アレルギー対応を行う人員の確保など、高校側と協議すべき課題が多い。現時点では、小中学校の給食費無償化の実施に向けた検討を優先する」との考えを示しました。