「調和の鹿角めざす」 鹿角市、笹本市長の所信表明

「調和の鹿角めざす」 鹿角市、笹本市長の所信表明

 鹿角市の笹本市長が就任後、最初の定例議会で、所信表明を行いました。強調したのは、「調和の鹿角」です。

 笹本市長はことし4月の市長選挙で初当選を果たし、最初の定例議会となった6日の本会議で、市政運営の方針を議員に説明する所信表明を、およそ15分にわたり行いました。

 一般的な所信表明は、目標や実行することだけが並びがちですが、笹本市長は理由や方法もセットで示して必要性、具体性を表し、また、子どもへの政策に厚みをもたせていることや、痛みを伴う、財源の確保策に踏み込んだことも特徴です。

 なかでも強調したのは、調和の鹿角です。はじめと終わりで、2度言及しました。

 そこでは、「市長として最も大切にしていることは、市民や議会、市の職員のほか、まちづくりに関わる皆さんは、だれもがパートナーであるということ。敬意をもって対話し、共に行動していきますし、心を一つにして調和の鹿角を築くことに全力を注いでいきます」と述べました。

 めざすまちの方向性について、「市民が誇れるふるさと、多くの人が訪れ、国内外から投資されるまち」と掲げるとともに、市政運営の3つの基本方針と、3つの年代ごとの政策の土台を示しました。

 基本方針の1つめは、市民と情報を共有しつつの、政策の実行と財政の適正化。2つめは、少子高齢化への対応と、支えあうまちづくりによる地域の絆の強化です。

 3つめは、経済と雇用の最適化とし、政策には、自身の人脈をフルに活用した企業誘致や、市の優位性の可視化による国内外からの投資の呼び込み、新たなビジネスモデルやデジタル技術の導入、それに季節や状況による柔軟な働き方の支援などを挙げました。

 いっぽう、3つの年代ごとの政策の土台として、「先輩世代」に対しては、介護予防や公共ライドシェアなどを、また「現役世代」には、結婚の支援や、出産、育児の経済的支援、来年度からの小中学校の給食費無償化の検討などを、それに「未来世代」に向けては、意欲的に学べる教育、教員の学ぶ環境づくり、鹿角高校の魅力向上、「少年議会」の開催などを示しました。

 そして、それらの実効性を高めるためとして、「不断の行財政改革に取り組んでいく必要がある」との姿勢を示し、公共施設やインフラの再編、統廃合に向けて議論を重ねるとともに、市民に示すとしました。

 人口が先月末に2万6千659人となり、年間で600人前後の減少が続いている鹿角市。笹本市長の手腕が注目されます。

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