ビッグデータを活用した鹿角地域の昨年度の観光の分析がまとまり、鹿角市では紅葉と夏祭りのシーズンに来訪が特に多いことがあらためて分かりました。
これは、ビッグデータと呼ばれる膨大なデータをIT技術で解析する取り組みを昨年度に始めた、地元の観光界のけん引役「かづのDMO」によるものです。
地元がこれまで体感でしかなかった情報が裏づけをもって確認できるようになっていましたが、初実施だった前回はコロナ禍明けの誘客策を使った来訪が目だっていたため、今回はそうした特異な要素のない、通常のデータを把握できました。
今回はスマートフォンの位置情報を基に、昨年度一年間の観光地、宿泊施設の滞在者数などを分析しました。
鹿角市内の月別の宿泊者数では、1か月あたりの平均に対し、紅葉期の10月が2.4倍、祭りシーズンの8月が1.7倍に上りました。
どこから来たかの都道府県別では、秋田市を中心とした県内が最も多く、次いで青森、東京、岩手、宮城などと続きました。
受け入れ地別では、八幡平温泉郷は山頂近くの観光スポット「ドラゴンアイ」の見ごろと紅葉期が多く、湯瀬温泉郷と大湯温泉郷は夏祭りシーズンが突出していました。
いっぽう小坂町は十和田湖の道の駅がオープンした10月以降、その周辺の観光地、宿泊施設でも来訪が前の年から増えており、波及効果が表れました。
今回分析したデータは地元の観光施設、宿泊施設に提供され、どの時期に、どのような対策をとるかなど、検討で活用されます。
かづのDMOでは、「鹿角市イコール紅葉、祭りという観光の意識が定着していることがデータで裏づけされた。ほかの時期や、同じ時期のほかの見どころに観光客を呼び込む道を探っていく」としています。