天然記念物の声良鶏の歌声競う 鹿角市

天然記念物の声良鶏の歌声競う 鹿角市

 国の天然記念物「声良鶏(こえよしどり)」の鳴き声の出来を競う大会が、原産地とされる鹿角市で開かれました。

 声良鶏は、「日本三長鳴鶏(さんながなきどり)」の一つに数えられ、天然記念物への指定を国に働きかけた鹿角市が原産地と言われています。
 80回めの節目を迎えた「天然記念物全日本声良鶏謡合(うたあわせ)大会」が1日、尾去沢の「かなやまアリーナ」で開かれ、地元のほか埼玉、兵庫などの8人が出場させた23羽が、鳴き声の出来を競いました。

 鶏が暗幕を張った箱から出され、鳴かせ台に乗せられると、出来の良い鶏はやがて首を伸ばし、「コッコオー」と10秒ほどにわたって鳴き続けていました。

 そして審査員たちが、鳴き声の出だしがしっかりしているかや、力強く伸びているか、また声質が太くて張りがあるかなどを確認していました。

 埼玉県春日部市から出場した30代の男性は、「オナガドリを中心に30羽ほどの鶏を飼っていて、SNSで発信していますが、大勢の外国人が日本の文化として尊敬するコメントをくれます」と話していました。

 大会は近年観覧者が増えていて、この日も集まったおよそ30人が、鶏がようやく鳴いた時に笑顔を見せたり、動画を撮ったりしていました。

 主催した「天然記念物全日本声良鶏保存会」の工藤忠靖会長(65)は、「なかなか鳴かない鶏がようやく鳴いて、いい声を出すと、本当にかわいく思います。イベントでの展示が喜ばれたり、こうしてお客さんが増えているので、ファンを増やし、飼ってくれる人をつくりたい」と話しています。

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