市民団体が中止求める要望書 鹿角市での風力発電計画

市民団体が中止求める要望書 鹿角市での風力発電計画

 鹿角市で計画されている大規模な風力発電の建設に対する意見を集めていた市民団体が、住民と住民、事業者、行政などが話し合う時間が必要だと判断し、中止を求める要望書を市長などに提出しました。

 鹿角市の中心市街地からも見える花輪上沼(うわぬま)地域では、高さ200メートル前後の風車を20基程度建設する、民間事業者による計画があります。

 その計画が住民の声と向き合いながら進められることをめざし、市民団体「奥羽山脈に守られる会」が計画に対する意見を集めていて、24日の時点で、市民の67件を含む415件が集まっているということです。

 会によりますと、その多くが事業に対する懸念や反対だったほか、市民が事業の内容を理解する時間が少ないなどの指摘があったため、会では計画の中止を求める要望書を市と市議会に提出することにしました。

 25日、井阪智(あきら)代表(35)が担当の課と議会事務局を訪れ、笹本市長と児玉議長あての要望書を児玉議長などに手渡しました。

 取材に対し井阪代表は、「事業は市民の大勢が納得し、市民の意見が反映されながら進められるべき。寄せられた意見をもとに、住民、事業者、行政、文化行政などで話し合う時間が必要と判断した」と中止を求めた理由を話しています。

 いっぽう笹本市長は、「私がめざすのは自然、文化、産業が調和するまち」としながら、現時点の考えについて、「絶対推進、絶対反対という考えはもっていない。現段階では、賛成、反対の人がどのような思いをもっているかをしっかり受け止めたい」と話しています。

 建設の計画に対しては、別の市民団体も計画の中止を求める署名活動を行っていて、近く市長に提出するということです。

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