鹿角市の臨時議会が23日に開かれ、物価高騰対策などを盛り込んだ総額9千万円あまりの一般会計補正予算案を可決しました。
先月就任した笹本市長が初めて編成した補正予算案には、国の物価高騰対策の交付金を活用した、市民、事業者の経済負担を軽減するメニューなどが計上されました。
提案にあたり笹本市長は、「経済対策を早急に講じたい」と述べ、議会側は議員全員の賛成で可決しました。
補正予算に計上された事業費のうち、デジタル版のプレミアム付き商品券は、地域内の消費を喚起し、燃料費の高騰などで苦しむ事業者の事業の継続を支援するものです。
地元の「ハミングカード協同組合」の地域通貨を活用し、広報に織り込む用紙で申し込んだ人のなかから抽選で4千人を選び、1万5千円分の地域通貨を1万円で販売します。
利用できる消費者は、デジタル版の「ハミングカード」を持つ人か、アプリ「ハミングペイ」をダウンロードした人です。
このほか、農業者の機械導入の補助金や、畜産農家の飼料価格の高騰分の定額補助、運送会社の燃料代の支援、それに地元の電力会社が提供する再生可能エネルギーの電気料金の軽減などの費用が盛り込まれています。
これらについて議員からは、公平性などを意識するよう求めがありました。
いっぽう、バス会社が八幡平地区の2つの路線を9月いっぱいで廃止することを受け、デマンドタクシーの実証運行の費用も補正予算に計上されました。
八幡平市民センターの南側の地域で予約制の乗り合いタクシーを運行し、北側は循環バスでカバーすることになっています。
デマンドタクシーは、スタート段階ではタクシー会社に委託されますが、将来は住民組織で運営する公共ライドシェアがめざされています。
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