生徒の就職促進へ地元と後援会 鹿角市の支援学校

生徒の就職促進へ地元と後援会 鹿角市の支援学校

 鹿角市の支援学校の生徒の就職を促進しようと、学校と地元の事業所でつくる後援組織の会合があり、生徒の励んでいる様子が示されました。

 全校59人の比内支援学校かづの校の進路後援会が22日、学校で開かれ、鹿角市と小坂町のおよそ15の事業所の代表や人事担当者が訪れ、高等部の生徒たちの就労に向けた作業学習を見学するなどしました。

 組み立て式のベンチなどを製作していた班では、部品を磨く作業で、電動の研磨機と手持ち型の道具の適正を把握して使い分けていたり、教師の助言に聞き入ったあとに作業が上達したりする様子がみられました。

 高等部3年の男子生徒は、「介護の仕事に就きたいので、積極的にコミュニケーションをとりにいく力を高めたい。日ごろの同級生や先生と関わる場面から大事にしています」と話しています。

 また見学していた市内の福祉の事業所の人事担当の男性は、「ここの生徒は、集中して、ていねいに仕事をする力がある。会社や周りの人たちが、それぞれの障害の特性を理解して、受け入れが進むといい」と話していました。

 支援校では、中学部と高等部で進路に関する授業があり、校内での作業や事業所での実習などをとおし、それぞれの適正を見いだして就職先を決めています。

 昨年度の高等部の3年生4人のうち3人が一般就労を果たし、また近年の卒業生たちは、店舗のフロアスタッフや工場の作業員、病院の誘導員などとして活躍しているそうです。

 いっぽう、生徒が自分の適正を知り、受け入れる事業所側でも生徒の力を知ることができる、実習や進路後援会ですが、近年は福祉分野の参画が中心になっており、分野を広げることが課題になっています。

 福士智子(ともこ)副校長は、「生徒たちが人を喜ばせるうれしさ、感謝される体験をとおして自信をつけている。自分に合っている仕事、職場を見つけ、長く仕事を続けてほしい」と話しています。

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