鹿角市のふるさと納税の寄付の受け付け額が昨年度、過去2番めの3億3千万円あまりに上りました。コメの価格が高騰するなか、産地としての強みを発揮するなどしています。
市によりますと、昨年度の寄付金額はおよそ3億3千600万円で、前の年度からおよそ4千600万円、率にしておよそ12%減りましたが、過去2番めに多くなりました。
件数はおよそ1万4千件で、前の年度からおよそ6千件、率にしておよそ30%と大きく減りましたが、要因の一つには、一昨年度に制度改正前の駆け込み需要があったことが挙げられています。
また、鹿角市は市の知名度のアップや特産品のアピールを目的に、返礼品に地元の産品を用意していますが、物価高騰のなかで、ほかの自治体の返礼品の日用品に人気が流れたことも件数の減少の一因に挙げられています。
いっぽう、寄付者に鹿角市に寄付した理由を聞いており、最も多く挙げられたのが、「お礼の品が魅力的だった」でした。
鹿角市で昨年度に人気だったのが、例年と同じくコメ、アップルパイ、リンゴでした。
なかでもコメは寄付額全体のおよそ3割を占めていて、3か月ごと、1年ごとなど定期で届くメニューも人気です。
ただ、全国でコメの価格が高騰するなか、地元の事業者からの提供が減ったため、返礼品の在庫切れの時期があり、寄付件数が一昨年度から3割ほど減りました。
ふるさと納税を巡っては、ティッシュの返礼品が人気となるなど、「日用品などを通販感覚で利用している人が少なくない」との指摘が出ています。
鹿角市政策企画課では、「引き続き市の認知度の向上や地元の特産品のPRにつなげるとともに、ほしいものから鹿角市を選ぶという発想よりも、鹿角市に寄付したいという人を増やす方策を考えていく」としています。