18日朝、国立公園の八幡平で登山をしていた男性がクマに襲われ、けがをしました。県内でことし最初のクマによる人身事故です。
警察と消防によりますと、けがをしたのは能代市の48歳の会社員の男性です。
男性はドラゴンアイを見ようと午前6時ごろに後生掛の駐車場から入山し、午前8時ごろ、鹿角市と仙北市の境で、蒸の湯ゲートと山頂の中間あたりで、それぞれおよそ1メートルと30センチの2頭のクマとはち合わせになり、大きいクマに顔や足をかまれるなどしました。
男性は自力で八幡平アスピーテラインまで下山して110番に通報し、大館市内の病院に救急搬送されましたが、軽傷とみられるということです。
周辺の状況に詳しい鹿角市山岳会の阿部明広事務局長によりますと、現場周辺はささやぶや樹林で見とおしの悪い場所があり、またこの時期は冬眠明けのクマがえさを探して歩き回っていて、特に子グマを守ろうと警戒している母グマが危険だということです。
阿部さんは、「クマとの遭遇を避けるために音を出していても、風や雨の音、霧などで、人とクマがお互いに気づきにくい状況がある」と危険性を示しています。
また、ドラゴンアイへの一般的なアクセスは山頂駐車場からのルートですが、男性はこの時期、利用する人がほとんどいない別の登山道を使っており、阿部さんは、「登山に慣れた人でも十分に注意してほしい」と話しています。
(写真はクリックすると見られます)