高校演劇部員と警察官が共同で寸劇 鹿角市

高校演劇部員と警察官が共同で寸劇 鹿角市

 高校の演劇部員と警察官が交通安全に関する寸劇をつくり、学校で披露する珍しい取り組みが鹿角市の高校で行われ、ストレートな内容で生徒たちの交通安全意識を高めました。

 鹿角警察署は昨年度、自転車の安全利用のモデル校に鹿角高校を指定するとともに、演劇部員と警察官で寸劇をつくって学校で披露することを提案し、好評でした。

 今年度も取り組みが継続され、演劇部員5人と警察官2人、それに教師1人が14日、舞台に上がりました。

 新たに書き下ろされたストーリーは、傘を差しながら自転車を運転していた女子高校生が、歩いていた女性と衝突し、のちに、その女性が友人の祖母だと知り、しかも亡くなってしまうというものです。

 寸劇を見ていた高校生たちは、序盤こそユーモラスなシーンで笑ったりしていましたが、ぞっとするようなクライマックスでは、かたずをのむように見入っていました。

 2年の男子生徒は、「リアルにこわいストーリーだった。自転車に乗る時は注意したい」と話していました。

 実は、この企画を共同で練り上げた演劇部員と警察官は親子ですが、2人が凝らした工夫が、高校生たちにルールの重要性を胸に深く残すものとなっていました。

 脚本の原案を書いた3年、内藤雪乃さんは、「自転車に軽い気もちで乗って、人生を悪い方向に変えてしまうこともあることを伝えたくて、シリアスにつくりました。寸劇を見て、登下校などで乗る人たちに、ルールの重要性を感じてほしい」と話していました。

 また父で、鹿角警察署交通課の内藤智史(さとし)警部補(43)は上演後の解説で生徒たちに対し、自転車による死亡事故や大きな後遺症を残す事故が起きていることを具体的に示し、「当事者にならないように、ルールを守ってほしい」と呼びかけていました。

(写真はクリックすると見られます)