夜に山間部の県道で道に迷っていた高齢の女性を助けたとして、鹿角市の高校教諭に警察から感謝状が贈られました。
感謝状が贈られたのは、鹿角市八幡平小豆沢の能代松陽高校教諭、小笠原幸喜(こうき)さん(55)です。
小笠原さんによりますとことし3月30日午後7時半ごろ、鹿角市尾去沢の下新田と大館市の別所の集落の間の県道で、高齢の女性が自転車を降りた状態で道路の中央に立っていて、「どこに行くのですか」などと尋ねたところ、「分からない」と答えたそうです。
場所は、近くに民家などがない林の中。また、雪がふぶき始めていたそうで、小笠原さんは女性を車に乗せて暖まってもらい、110番に通報したそうです。
小笠原さんは車を運転して帰宅中で、女性を見て、はじめは不思議に思いながら通り過ぎ、後続の車数台も後に続いていましたが、考え直して引き返しており、「状況などを総合的に判断して、もしかしたらという思いが勝った」と理由を話しました。
また、「この時代、良かれと思って行動してもトラブルになるかもしれない」との思いもよぎったそうですが、「トラブルになっても一所懸命に説明すればいい。そのまま戻らないより、対応した方がいいと考えた」と振り返っています。
警察によりますと、女性は80代で、およそ20キロ離れた大館市比内町から来ていたそうで、13日の贈呈式で木川達也署長は、「そのままだったら命に関わっていたかもしれない。たいへんありがとうございました」とお礼を述べました。
小笠原さんは、「女性が家族のもとに無事に戻れて良かった」と安どするとともに、「みんなが年をとる。声かけや助け合いは大事だと思う」と笑顔を見せていました。
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