特殊詐欺の被害防止で署長感謝状 鹿角市

特殊詐欺の被害防止で署長感謝状 鹿角市

 鹿角市内の金融機関の職員2人が特殊詐欺の被害を防いだとして、警察署の署長から感謝状が贈られました。

 感謝状を受け取ったのは、秋田県信用組合毛馬内支店の支店長、松田健(けん)さん(56)と、支店長代理の野呂美嘉子さん(54)です。

 贈呈式が9日、鹿角警察署であり、木川達也署長は、「普段からの声掛けが、今回の被害防止につながった。引き続きお願いします」と依頼しました。

 二人と警察によりますと、先月14日昼前、市内の70代の男性が携帯電話で話をしながらATMを操作していることに野呂さんが気づき、会話のなかで特殊詐欺の手口だと確信し、引き継いだ松田さんが男性を説得して思いとどまらせたということです。

 野呂さんは、「手続きの最後の口座番号を打つ、危機一髪の場面だった。毎日のように詐欺被害の報道があり、かわいそうだと思っていたので、被害を防げてよかった」と話しました。

 松田さんは、「いつ、こうした事態があってもおかしくないと思い、積極的にお客に声掛けをしている。お客さんが一生懸命に貯めたお金が詐欺の被害に遭わないように、ひるむことなく声掛けをしていく」と話しています。

 社会問題になっている特殊詐欺ですが、鹿角管内でもことし被害が起きているほか、毎日のように不審な電話、メールに関する相談が警察に寄せられています。

 野呂さんによりますと、電話先の男は、野呂さんたちが男性に声を掛けたあとも電話を切らず、また要求額が振り込みの限度額であるなど、犯行への強い執着がうかがえます。

 警察では、「県内でも去年の被害額が200億円と深刻だ。チラシや報道などをつうじ、被害防止の情報を出していく」としています。

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