移転集約、初年度は10戸 市営住宅で鹿角市

移転集約、初年度は10戸 市営住宅で鹿角市

 鹿角市は市営住宅の長寿命化の一環で、入居者に協力を求めて、住宅内の中央などに集まって住んでもらう「移転集約」と呼ぶ取り組みを、2つの住宅で開始しました。

 市は令和3年度から10年間を期間とした公営住宅等長寿命化計画で、国の目安を基に、住宅を現在のおよそ6割の307戸まで減らすことにしています。

 老朽化した建物の解体を進めること、また計画期間中は新築しない方針を打ち出すとともに、各住宅の耐用年数などを基に、安全性や居住性などを判定したうえで、6か所の住宅それぞれの対応を決めました。

 そのうち最も古い大湯の四の岱住宅と、次いで古い尾去沢の新堀住宅は、移転集約を進めることにしました。この2つの住宅は、半数以上で入居者がいません。

 それぞれ昭和30年代から50年代に建設されていて、耐用年数を過ぎた、または計画中に耐用年数に達します。

 移転集約の方針として、除雪など入居者の環境を良くすることと、市の管理費の削減の両面を踏まえることとし、古い建物から比較的に新しい建物に、またアクセス道路に近い場所になどの条件で移転してもらうこととしています。

 集約対象のエリアの入居者に対し説明会と意向調査を行い、了承した世帯から順に進めていて、取り組み1年めの昨年度は2つの住宅それぞれ5戸ずつで、入居先のリフォーム後のことし3月、転居してもらいました。

 今年度も5戸ずつの移転集約を計画するいっぽう、ほかの住宅は改修などをしながら当面維持していく方針です。

 鹿角市都市整備課では、「人口に対する市営住宅の戸数が国の基準を大幅に上回っており、削減が課題になっている。住宅を効率的かつ円滑に更新して長寿命化を図り、コストの縮減につなげたい」としています。

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