縄文遺跡で子どもたちが発掘体験 鹿角市

縄文遺跡で子どもたちが発掘体験 鹿角市

 世界文化遺産の鹿角市の縄文遺跡で、子どもたちが発掘を体験する催しが開かれ、参加者たちが張り切って挑戦していました。

 これは、縄文人の知識や道具などにふれる機会をとおして、遺跡に親しみをもってもらおうと、大湯環状列石のガイダンス施設が去年始めたものです。

 3日に施設の隣の広場で開かれ、およそ50人の定員がほぼ埋まる人気ぶりとなりました。

 参加した幼児や小学生たちははじめに、発掘では、土器を壊さないように、土の表面をゆっくりと削っていくことを教わりました。

 続いて遺跡に見立てた砂場で発掘に挑戦し、土偶や土版のレプリカを掘り当てると、歓声をあげて喜んだり、家族に得意げに見せたりしていました。

 なかには10分ほど作業を続けてようやく見つける参加者もおり、調査員の根気の強さにふれていました。

 体験した花輪館盆坂の小学4年の女の子は、「なかなか出てこなかったので、本当に出てくるのかなあと思ったけれど、頑張りました。大人になったら、こういう仕事を一度はしてみたい」と話していました。

 大湯環状列石は縄文時代を語るうえでなくてはならないとし、国内の縄文遺跡で5か所だけの特別史跡に指定されていますが、市教育委員会では、「その価値が地元の人にいま一歩伝わっていない」とみています。

 大湯ストーンサークル館の児玉竜司(りゅうじ)主任は、「世界遺産の町でしかできない体験を子どもたちに楽しんでもらい、将来、地元を誇ってほしい」と話しています。

 この催し「ジョモラボキッズ」は、今後も縄文風のアクセサリーや土器を作る体験などが行われます。

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