去年、捜索活動中の警察官たちがクマに襲われた鹿角市大湯の山林で、ことしも入山禁止の措置がとられることになり、バリケードなどの設置作業が行われました。
鹿角市大湯大平(おおだいら)の山林では去年5月、タケノコ採りで遭難した男性の遺体を運び出そうとしていた警察官2人がクマに襲われ、大けがをしました。
また遺体には、大型動物にかまれたりひっかかれたりしたような傷がありました。
これを受け鹿角市と小坂町は周辺について、事故の翌日から11月いっぱいまで入山禁止にしていました。
この警察官たちを襲ったクマについて専門家は、人を避ける一般的なものとは違い、積極的に人に接近するクマである可能性を指摘していました。
ことしの対応について鹿角市、小坂町がそれぞれ関係機関と協議した結果、タケノコ採りシーズンの5月と6月の2か月間を入山禁止に決めました。
エリアは、鹿角市は事故現場の半径3キロの山林、小坂町は通称、樹海ライン沿いの東側、鹿角市側の山林としています。
入山禁止の前日の30日、市の職員たちが事故現場に通じる林道の入り口を訪れ、バリケードを設置しました。
鹿角市危機管理室の阿部厳祐(げんゆう)危機管理監は、「去年、人を襲ったクマがまだいる可能性がある。規制区域に入ること自体が危険なほか、遭難が起きて捜索活動をする場合も危険を伴うため、絶対に入山しないでほしい」と呼びかけています。
警察では、「入山禁止を知って、中に入っているなどの悪質なケースは、軽犯罪法の適用を考える」としています。
市はこのほか、9年前にタケノコ採りの入山者4人が相次いでクマに襲われ死亡した大湯の熊取平、田代平などの地域と、7年前にクマによる死亡事故があった仙北市玉川に隣接するエリアでも、入山禁止の継続を決めています。
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