長年、その道一筋に打ち込んできた人や公共のために尽くした人に贈られることしの「春の褒章」の受章者が28日付で発表され、鹿角管内からは1人が選ばれました。
公共の仕事で顕著な功績のあった人に贈られる「藍綬褒章」として、鹿角市八幡平小豆沢(あずきざわ)の保護司、安倍良行(あんべ・よしゆき)さん、74歳が選ばれました。
安倍さんは平成9年から現在まで28年間、保護司を務めていて、罪を犯してしまった人、事故を起こしてしまった人の更生を支援しています。
支援で大事にしてきたことについて安倍さんは、「対象者の話を、否定しないで受け入れること、聞くこと」と話しました。
また、更生中の人が差別され、再犯につながる傾向が全国でみられるなか、「今の社会が、人と人のつながりがだんだん少なくなっている。コミュニケーションをもっととれる社会に変わっていかなければいけない」と願っています。
「大日霊貴(おおひるめむち)神社」で務める神職と保護司は心のもち方で重なると感じており、「だれでも受け入れる。どんな人にも同じ態度で接する点が共通するところだし、相手が言いたいことを受け入れることに徹するのは一緒だと思う」と話しています。
千300年続く伝統芸能「大日堂舞楽」の保存会長も務めていて、「20年に一度の伊勢神宮の遷宮が間もなく始まる。奉納に行きたいと話している若い人たちがおり、ぜひ連れていきたい」と楽しみにしています。
ことしの秋田県内の褒章、叙勲の受章者への伝達は、一部の受章者を除き、8日に県庁で行われます。
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