建物の中にいるクマに対応する訓練が鹿角市で行われ、警察や猟友会員などが手順を確認しました。
県内で去年、クマが建物の中に居座るケースが相次ぎ、鹿角市でもおととし、コメの倉庫にクマが侵入し、作業で訪れた男性が襲われてけがをする事故が起きました。
こうしたケースへの対応力を高めようという訓練が、市内では初めて、23日に市役所であり、警察や猟友会などからおよそ40人が参加しました。
市役所の車庫の中にクマが入ったという想定で行われ、はじめに、クマを閉じ込めるための手順が確認されました。
シャッターのスイッチが建物の中にあるため、警察官が車に乗ってスイッチのそばまで行き、周囲の安全を確認したうえですばやくスイッチを押していました。
続いて出入り口の前に捕獲用のおりを設置する場面になり、盾を持った警察官4人が、横一列に並んで出入り口に近づきました。
そして警察官たちがすき間ができないように盾でふさいでいる間に、猟友会員たちがおりを設置しました。
訓練後、鹿角市猟友会の稲垣正人(まさと)会長は、「クマが建物の外に出てこない対応をしながらおりを置くことが重要だ。万一の時もすばやく行動したい」と話しました。
鹿角警察署地域課の草彅大心(だいしん)課長は、「住民とともに、猟友会員や警察官の安全も確保するため、クマの居場所など状況を把握できたうえで対応していく」としています。
クマを建物の中に入れないために、住民の対策も重要です。秋田県自然保護課の近藤麻実(まみ)主査は、「クマを来にくくするための草刈りはもちろん、ごみやびん、缶などを小屋などに一時保管する時は、必ず扉を閉めておいてほしい」と呼びかけています。
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