観光芝居小屋、再開向け舞台稽古 小坂町

観光芝居小屋、再開向け舞台稽古 小坂町

 冬の間休んでいた小坂町の観光芝居小屋の公演が再開するのを前に、役者たちが熱を帯びたけい古を重ねています。

 小坂町の観光を支えている康楽館では、春から秋まで「常打ち芝居」と銘打った公演で観光客や修学旅行生などを楽しませていて、去年はおよそ1万7千人が来場しました。

 期間中、出演する一座がリレーしていきますが、ことしトップバッターを務めるのは、ちょうど20年めを迎えた「下町かぶき組」の一座の一つ「劇団三峰組」です。

 18日から舞台稽古を重ねていて、19日も舞踊の振り付けや立ち位置などを入念に確認していました。

 座長の三峰達(とおる)さんは、下町かぶき組が康楽館に初めて来た20年前から舞台に立っており、「小坂は第二の古里。康楽館に育ててもらった」とうれしそうに話します。

 20歳で役者の道に入り、10年あまり経て座長の座をつかんだ、その2年後、康楽館に来ました。

 目の前には、大衆演劇のファンではなく、時代劇の楽しさにもピンと来ていない高校生たちだけの時も多かったそうで、「伝えるため、記憶に残してもらうための舞台について考えるようになった。おかげで、役者としての幅が広がった」と感慨深げに話します。

 そして20年めのことし。「伝えるものは当初と一緒。義理と人情、時代劇の色気。エンターテイメントであって、ファンタジーでありたい」と意気込んでいます。 

 今回の劇団三峰組の公演は、途中で一座の花形、新月海斗(かいと)さんの主演公演に切り替わるのも見せどころの一つです。

 新月さんは、「これまでの舞台のいいとこどりと、新しいものの両方だし、お客に近づきすぎて、ふざけすぎず、だからといって離れすぎず。距離を大事にしながら触れ合いたい。もちろん得意のマジックもします」と興味を誘っています。

 康楽館の常打ち芝居は、今月23日に幕が開きます。

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