クマ誘引木の伐採補助、2年めも人気 鹿角市

NO IMAGE

 鹿角市がクマの住宅地への出没を防ごうと、クリなどの木の伐採を支援する補助金を今年度も引き続き設けたところ、すでに申請が相次いでいます。

 市は住宅地にあるクリやカキがクマを引き寄せている一因だとし、不要になった木を切る場合に支援する補助金を昨年度に設けました。

 申し込みが殺到し、当初予算のほか、2度の補正予算による追加で、市が当初見込んだ50本を大きく上回る697本の実績となりました。

 その効果の指標にもなる、去年のクマの目撃報告の件数は、過去5年の平均よりおよそ30件少なかったほか、クリやカキを目当てにして増える傾向にある秋に、少なく推移しました。

 この背景には、去年、山の実りが豊富だったことや、草刈りや電気柵などほかの対策の成果も考えられますが、市では、「誘因木を多く伐採したことによる効果も間違いなくあるし、うちのそばの木に来なくなって安心したという市民の声は何よりの成果だ」としています。

 今年度も当初予算に300本分、千500万円を計上し、今月1日に受け付けを始めていて、最初の2週間ですでにおよそ10件の申請がありました。

 鹿角市農地林務課では、「山の実りが豊富で、出産が進んだ次の年は、クマの市街地への出没が増えるというデータがあり、ことしが該当している。シーズンの早い段階で対策を講じられるといい」としています。

 そのうえで、「去年の、集落の一部の人の伐採で得られた効果を、集落の大勢の人でさらに広げてほしい」としています。

 この補助金は、半径およそ200メートル以内に10軒以上の住宅がある地域で、不要になったクリやカキ、ブナ、ナラなどを切る場合に、1本につき最大5万円が支援されています。