世界文化遺産の鹿角市の縄文遺跡「大湯環状列石」で、冬の間休止されていた一般公開が、12日に再開されます。施設では、受け入れ準備が急ピッチで行われました。
大湯環状列石では、遺跡が雪に覆われる冬の間、屋外の一般公開が休止されていますが、冬に雪が多かったことしは、例年より2週間ほど遅い12日に再開されます。
これを前に公開の準備が進められ、ガイダンス施設の職員や委託された業者の人たちが、看板を覆っていたブルーシートを外したり、クマよけの電気柵を設置したりしました。
大湯環状列石にある遺構のうち2つの環状列石は、発掘した石をそのままの状態で公開している「現物展示」と呼ばれる手法をとっているため、遺跡を構成する石の位置が極めて重要です。
このため教育委員会では、雪解け後など定期的に、発掘調査の報告書を見ながら、石が発掘された時と同じように並んでいるかを再確認しているそうです。
施設によりますと昨年度は、遺跡を訪れた人の人数は把握されていませんが、ガイダンス施設に来館した人はおよそ2万5千人でした。
そのうちおよそ3割が、市民ボランティアによるガイドも希望しており、世界文化遺産への登録前の1割ほどから大きく増えました。
これについて施設では、以前多かった、観光の合間などに訪れる「立ち寄り型」と呼ばれるスタイルから、遺跡を見る目的をもって来場する「目的型」へと移行していると手ごたえをつかんでいます。
大湯ストーンサークル館では、「春は遺跡に草が少ないので、環状列石の形を一番観察しやすいです。安全な環境を用意するので、思い思いに散策を楽しんでください」と呼びかけています。
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