鹿角市は水道料金について、人口減少などで赤字が続く見とおしから、ことし9月におよそ25%値上げする案を明らかにしました。
市によりますと、近年、人口減少などで水道の使用量が減っており、昨年度は6年前と比べ給水人口で6.5%、収益でおよそ1千100万円減っています。
このため今年度はおよそ8千800万円の赤字になるとともに、今後も赤字幅が拡大し、9年後には1億7千万円になると見込まれています。
積立金がありますが、取り崩していくと、5年後に底をつくとみられます。
また、総延長およそ354キロの水道管のうち29%が、今年度末で、法で定める耐用年数を経過するなど、設備の多くが更新時期を迎えますが、財源の確保が難しい状況です。
これらにより市は、ことし9月の使用分で、10月に請求する料金から、用途を問わず平均でおよそ25%値上げする案をまとめました。
家庭用の場合、いずれも消費税込みで、1か月あたりの基本料金は453円増えて2千265円に、超過水量は1立方メートルあたり52円増えて260円となります。
市によりますと県内の平均との比較は、1か月あたりの一般的な水道料金で、現行の500円程度高い状況から1千500円程度高い状況になるということです。
21日に開かれた議会の産業建設委員会で市が説明したのに対し、議員からは、「25%の値上げを市民が理解してくれるのか懸念する」との声があったいっぽう、「状況からすればやむを得ない」との意見も出ました。
鹿角市上下水道課では、「現行のままでは事業運営ができなくなる。施設や水道管の更新のためには改定率をさらに大きくしなければならないが、利用者の急激な負担の増加を緩和するため、料金の見直しを定期的に実施したい」としています。