保育所閉園で補助金の返還求めず 鹿角市

保育所閉園で補助金の返還求めず 鹿角市

 鹿角市は2つの保育所のそれぞれの閉園で、法定耐用年数を経過しないなかでの財産の処分に対し、補助金の返還を求めない方針を議会に示し、理解を求めました。

 国や市などの補助金を使って取得した財産を、耐用年数に満たない状況で処分する場合、一般的には補助金の返還が求められます。

 今回、市が補助金の返還を求めないことにしたのは、今年度いっぱいで閉園する大湯保育園と、3年前に閉園し、財産の処分の道を見いだせていなかった八幡平谷内の杉の下保育園に関するものです。

 大湯保育園では平成24年の建物やプールの改築に、杉の下保育園では平成25年に建物や設備の大規模改修に国と市の補助金を活用していましたが、その後の急激な入園者数の減少などを理由に、それぞれ運営する法人が閉園を決めました。

 市は補助金の返還を求めない理由の一つとして、補助金に関する市の規則のなかで、返還の規定を定めていないことを挙げています。

 また2つの保育所への入園者数の減少が急激であり、その変化をそれぞれが予測するのが極めて困難だったとの見かたをしています。

 市が求めないとしている補助金は、市の現時点の試算によりますと大湯保育園でおよそ1千800万円、杉の下保育園でおよそ360万円です。

 ただ、こちらも市の現時点の試算で、大湯保育園で3千900万円、杉の下保育園で800万円の、国への補助金の返還はそれぞれ必要になっています。

 21日に開かれた議会の教育民生委員会で市がこれを説明したのに対し、議員からは、「事業者になるべく負担にならない方法を模索してほしい」との求めがありました。

 鹿角市すこやか子育て課は、「法人と調整しながら、なるべく早期に手続きしたい」としています。

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