鹿角地域のDMOがビッグデータを活用した観光動向の分析を始め、宿泊客は青森、岩手からが多いなどとする結果をまとめました。誘客に生かす方針です。
鹿角地域の観光をけん引する「かづのDMO」は、IT技術を使って集めることができるようになった、ビッグデータと呼ばれる膨大なデータの活用を今年度に始めました。
分析の第一弾として、過去6年間のスマートフォンの位置情報や聞き取り調査などのデータをもとに、観光客がどこから来たかや、どこを訪れたかなどをまとめました。
対象の期間はコロナ禍で、行政の補助事業を大勢が利用した時期もありました。
それによりますと、鹿角市に宿泊した人がどこから来たかでは、青森がおよそ30%、岩手がおよそ24%と多くを占めました。
年代別では40代から60代の人たちが多く、また家族連れが多いことも分かりました。
訪れた場所は、十和田湖や、各地の温泉郷が人気でした。
立ち寄る場所では、各地の道の駅が多くの人を集めました。
各温泉郷が特ににぎわった時期は、八幡平ではドラゴンアイと紅葉のころに、湯瀬と大湯は東北各地の夏祭りやお盆の期間中に伸びました。
そのほか、鹿角市は秋田県内のほかの地域に比べて、宿泊のニーズが多いことと、一泊あたりの料金の価格帯が高いという特徴も表れました。
DMOでは分析結果を管内の観光施設、宿泊施設にも提供し、観光客を呼び込む力を地域全体で高めたい考えです。
かづのDMOでは、「地元の施設がこれまで体感でしかもっていなかった情報が、裏づけをもって確認できるようになった。青森と岩手の家族連れに温泉や宿泊施設に誘導する施策など、ターゲットを絞って効果的に誘客していきたい」としています。