災害時の自助、共助を再確認 鹿角市尾去沢

災害時の自助、共助を再確認 鹿角市尾去沢

 地域の防災意識を高めようというミーティングが鹿角市尾去沢で開かれ、参加した人たちが自助、共助の重要性を再確認しました。

 尾去沢の地域づくり団体が15日に市民センターで開いたこの催しには、地元の自治会長や団体の代表などおよそ50人が集まりました。

 講師を務めた秋田県防災アドバイザーの野口幸喜(こうき)さん(65)は、阪神淡路大震災の直後の神戸市で、60件の火災が発生したものの、消防署で対応できたものは10件だったと説明しました。

 また倒れた家屋からなど、災害時の救出では72時間以内で生存率が高いこともあわせて示し、「近所の人、自治会の人による互助、共助が重要になる」と指摘しました。

 いっぽう、共助で機能を発揮する自主防災組織ですが、単にあるだけでは問題だとし、活性化策として、広報紙の発行や学習会の開催、ホームページの運営などを提案しました。

 また興味をもってもらうためのイベント型の訓練の例として、バケツリレーの競争や防災キャンプ、サバイバルクッキングのアイデアを競う大会などを紹介しました。

 参加した60代の男性は、「まだ自主防災組織はありませんが、必要性を感じました。どこの地域でも、だれが率先するかがネックになっていると思うので、全体の機運を高められるといい」と話していました。

 主催した尾去沢市民センター協議会の泉澤輝男会長は、「この地域でも大雨で水があふれたり、傾斜地が崩れるなどしている。自助、共助が災害の被害を最小限に抑えるために重要であり、地域の課題を共通理解したい」と話しています。

 鹿角市危機管理室によりますと自主防災組織の世帯カバー率は62%ですが、近年は横ばいで推移しており、率先している地域とそうでない地域で二極化しています。

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