鹿角市は、鹿角地域の中核病院の小児科に医師を派遣している大学から、来年4月以降、非常勤体制にすると伝えられたことを明らかにしました。
これは、29日に開かれた市の12月議会の本会議で関市長が説明したものです。
市によりますと、先月31日に岩手医科大学の学長が鹿角市役所で関市長と面会し、かづの厚生病院に1人派遣している常勤医の体制について、来年4月から非常勤体制に改めることを伝えたということです。
理由については、現状1人体制のため、医師の負担が増大していること。また、小児科の患者が減っていることが挙げられたということです。
市は、この席上で、存続をめざす要望活動を行う方針を示したほか、今月25日には小坂町とともに、県に要望書を提出したということです。
取材に対し関市長は、「市民が不安になることであり、何とか解消したい。大学がある岩手県内でも医師が少なくなっているという話も出ているが、何とか常勤の医師に来てもらえるように要望していく」と話しました。
市などによりますと、かづの厚生病院の小児科は現在、原則で週5日の外来診療と、8つの入院病床の体制がとられています。
このまま医師を確保できず非常勤体制に移行した場合、入院病床は休床になります。外来診療の対応は、今後示される見とおしです。
鹿角地域では6年前に地域唯一だった中核病院での出産の受け付けが大館市に集約されて以降、出生数が急速に減っており、今回の動きも影響が懸念されます。
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