農商工連携のより良いあり方を探るセミナーが鹿角市で開かれ、顧客が求める価値を前提とした連携が求められました。
これは、物価高騰などで経営が難しくなるなか、新たな取り組みで収益を増やしてもらおうと地元の商工会が開いたものです。
20日、鹿角市花輪の商工会の事務所には、地元の農業者と加工販売業者、行政の担当者など20人あまりが集まりました。
講師を務めた中小企業診断士の男性は、農商工連携の失敗例として、単なる仲良しや地元のつながりだけで連携して、意味や意図がないケースや、産地だからという点だけで加工品を作り出す例などを挙げ、「お茶の産地だからといってビールを造っても、ぜんぜんおいしくないし、求める人は大勢はいない。だれに売れるかを考えていない」と指摘しました。
農商工連携の際に考えるポイントとして、「顧客の必要とすること、満足することを考えなければいけない。自分の作物が、商品が、どのように使われるか、どんなシーンで使われるかを考えたい」と呼びかけました。
連携すべき相手については、「農業者であれば、自分の作物の強みを意識して作るべきだし、連携したい相手は、そこを意識して活用してくれる相手であるべきだ」と助言しました。
参加した50代の男性は、「顧客のニーズをスタートに考えることが大事だし、検索キーワードを使う事例も参考になった。自分の活動するステージで実践していきたい」と話していました。
主催したかづの商工会では、「物価や資材の高騰で収入の維持が難しくなっているなか、農商工連携を新たなフレームとして浸透させ、地域の活性化につなげたい」としています。
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