鹿角地域で唯一だった工業系の高校が統合により閉校しましたが、地元の技術者が行っていた特別授業が、引き継いだ高校でも継続され、貴重な体験を提供しました。
鹿角市の鹿角高校の母体の一つ、旧小坂高校では、地元の電気工事士たちが国家試験前に臨時講師を引き受けていたほか、体験型の特別授業を8年前から年1回行っていました。
その特別授業が鹿角高校でも継続されることになり、2日は、地元の電気工事会社の技術者たちが、仕事の合間をぬって学校を訪れました。
環境技術科の1、2年生の男女およそ30人が参加し、始めに技術者の代表のあいさつでは、鹿角高校の開校に向けた改修で、校舎の照明やコンセント、火災報知機、それに屋外の街灯などの整備を、地元の技術者たちが手掛けたことが紹介されました。
続いて生徒たちは2つの班に分かれ、電気ケーブルの加工と、高所作業車の作業台に乗る体験をしました。
高所作業車の体験では、ヘルメットと安全ベルトを身に着けた生徒たちが、技術者とともに作業台に乗って高さおよそ10メートルまで上げてもらい、その高さを実感しました。
体験した2年の男子生徒は、「どこかにつかまっていないと怖かったので、いつもあそこで作業をしている人たちはすごいなと思いました」と話していました。
主催した北鹿電気工事業協同組合の小塚雅生(まさき)青年部長(38)は、「電気工事士には社会インフラを守るやりがいや、物を作って、出来上がった時の感動があります。それを味わえる会社が地元にあることを知って、担い手になってほしい」と話しています。
学校では、「統合しても特別授業を続けてもらい、たいへんありがたい。電気工事業の魅力、やりがいが生徒に伝わってほしい」としています。
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