自転車を列車内に持ち込める「サイクルトレイン」の実証実験が花輪線で始まり、早速利用した人たちが列車と自転車の2つの旅を一度に楽しみました。
サイクルトレインは自転車を折りたたんだりせずそのまま列車内に持ち込んで乗車できるもので、普段使いと観光の両面で導入があります。
これを花輪線でも可能にして乗客を増やそうと、沿線の自治体などでつくる協議会が1日から1か月間、スポーツタイプの自転車を対象に実証実験を企画しました。
花輪線の沿線には自転車で楽しめそうなスポーツコースや魅力的な景色があることから、自転車と列車に片道ずつ乗るスタイルを普及させたい考えです。
利用できる列車が一日に上下1本ずつ指定されていて、主催者によりますと初日は5人の予約がありました。
盛岡市の40代の男性は、自宅から鹿角市までおよそ3時間半のサイクリングをして、温泉の入浴も楽しんだあと、帰り道の一部で花輪線を利用していました。
また青森県平川市の夫婦は、鹿角市花輪の道の駅から自転車に乗って八幡平市の北森駅までおよそ60キロをサイクリングしたあと、昼食や周辺の観光を楽しみ、北森駅から鹿角市の花輪駅まで乗車しました。
夫の60代の男性は、「自転車が往復100キロを超えると体力や時間的に難しいですが、列車にも乗れると今まで行けなかった所も楽しめるのでうれしい。列車の中の、車と違う景色や、外国人の乗客との交流も楽しかった」と話していました。
主催する花輪線利用促進協議会では、「現時点では、向こう10日間で16人の予約があり、順調な滑り出しになった。これから紅葉シーズンでもあり、自転車と列車の両方を楽しめる魅力を周知していく」としています。
協議会は実証実験後、利用状況やアンケート調査を基に検証し、本格実施の道を探ることにしています。
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