鹿角市では珍しいプロレスのイベントが行われ、リングの上で、場外でと激闘が迫力いっぱいに繰り広げられ、観戦者たちを存分に楽しませました。
29日、鹿角市花輪の市記念スポーツセンターのアリーナ中央にリングが設けられ、内外から訪れたおよそ500人がリングサイドに陣取りました。
女子選手のカードを中心に5つの試合が行われ、ゴングとともにリングに上がった選手たちは、激しいエルボーの打ち合いや、特殊なスープレックスなどの大技を決めていました。
また場外乱闘で、観戦者たちの目の前で選手たちが体をぶつけ合ったり、巨体の選手が宙を舞うなど、迫力ある場面が次々繰り広げられました。
「きりたんぽ発祥の地」の地元にちなんだレスラーも登場し、コーナーポストの最上段から飛び込んでカウント3を奪うと、大きな拍手が送られました。
観戦した地元の40代の男性は、「初めてプロレスを目の前で見ましたが、ものすごい迫力と躍動感だし、会場の一体感がとても楽しいです」と話していました。
地元のプロレスファンが「およそ20年ぶりではないか」と話す市内でのプロレスのイベントをこうして実現させ、大勢を楽しませたのは、一人の青年の夢と行動力でした。
鹿角市八幡平川部の会社員、神田優大(ゆうだい)さん(25)です。貯金を使い、また、あちこちに出向いてポスター張りを依頼するなど、こつこつ汗を流してきました。
イベントの最後に、選手に呼ばれてリングに上がり、「子どものころからプロレスが好きで、25歳の今、どうしても挑戦したくてイベントを開いた。こんなにたくさんの人に来てもらい、たくさんの人に協力してもらい、心から感謝しています」と話しました。
出場者の取り付けや開催の助言など、夢の実現に協力してきたSAKI選手は、「ひたむきに行動して実現したことだと思うので、私も胸がいっぱいです。簡単ではなくても、こうしてかなえられるので、夢をもっているみんなに頑張ってほしい」と話していました。
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