小坂町の9月議会が開会し、町は運営コストの上昇を理由に、町立の観光施設の一部利用料金の上限を引き上げる案を提案しました。
5日の本会議で町は、電気料金や燃料費などコストが上昇するとともに、今後も見込まれるとし、芝居小屋「康楽館」の入館料と、「小坂鉄道レールパーク」の寝台特急での宿泊費の上限を引き上げる案を提案しました。
康楽館での引き上げ幅は、公演の観覧を含む場合がおよそ3割、施設見学のみがおよそ1割で、上限額の案は高校生以上でそれぞれ3千500円と900円としています。
レールパークの宿泊料の上限額の案は、部屋別で1.6倍から2.8倍に引き上げ、A寝台の1人利用で1万3千円、2人利用で2万円、B寝台で7千500円としていて、町は「これまでが格安だった。近隣の宿泊施設とほぼ同額になる」としています。
また、「今回の提案はすべて上限の額であり、この額に引き上げるというものではない」「施行は来年4月で、引き上げる場合の時期は指定管理者と協議して決める」としています。
いっぽう町は、総額1億8千300万円の補正予算案を提案し、クマを誘因するカキやクリなどの木を切る自治会など団体に対する補助金を盛り込ました。
この補助金は1本あたり、太さにより3万3千円から4万6千円で、町は申し込み者を個人ではなく自治会など団体にすることで、面的な対策にしたい考えです。
いっぽう本会議で細越町長は、クマの住宅地への出没が去年に続き多発する可能性があるとし、注意喚起に力を入れる姿勢を示しました。
細越町長は、「ことしの木の実は平年並みのようだが、昨年里で楽にえさが得られたことを学習したクマが再び出没することが十分考えられる。被害に遭わないためには町民一人一人の注意が最も重要であり、これまで以上の注意喚起を図っていく」としました。
町によりますと、町民にメールで知らせたクマの目撃報告は、先月15日までで26件あり、去年の16件を大きく上回っています。