出穂期前に水の神に感謝する神事 鹿角市

出穂期前に水の神に感謝する神事 鹿角市

 稲の穂が出る時期を前に、水の神に感謝する神事が鹿角市花輪の集落で行われ、雪が少なかった年だけに、出席者たちが水の恵みを切に願っていました。

 花輪の間瀬川(ませがわ)流域は、山が一方向にしかないうえ、斜面も急なため保水が少なく、米作りが盛んな地域にありながら、欠かせない水の確保に、かつて住民たちが悩まされていました。

 そうした背景もあってか、地域の神社の例大祭では、水の神への感謝に主眼がおかれており、市教育委員会によりますと市内でそうした神事は珍しいということです。

 ことしも7月の最初の日曜の7日、午前10時に「御嶽山(みたけさん)神社」へ続く参道の入り口に、流域の4つの自治会の役員たち20人あまりが集まりました。

 そして車に分乗し、最も近い集落、上台(うわだい)の中心から東へおよそ3.2キロ林道を登り続けた、山の中腹にある本殿に着くと、神官とともに水の神に感謝しました。

 また神事には、農作物の害虫駆除を願う伝統行事「虫送り」で使う祭具もお供えして、あわせて願掛けをしており、出席者たちがそれぞれの集落に持ち帰りました。

 ことしは冬に雪が極めて少なく、市内では水不足を理由に米作りを断念する農家も出ており、梅雨に入って雨の日が増えているとはいえ、農家の人たちの不安は尽きません。

 出席していた70代の男性は、「水が少なすぎて、米作りで困った年もあるので、水に恵まれるように祈りました。お願いができて、ほっとした」と話していました。

 この神社は、水上神社の名称で江戸時代の元禄6年に建立されたという記述があり、地域の人たちは、古くから水の神に対する信仰が強かったことや、干ばつの年に水ごいをしていたことなどを伝え聞いているそうです。

 間瀬川流域四ヶ集落自治会協議会の児玉忠幸会長(68)は、「雨が降らないと米が不作になってしまうため、欠かせない行事だと思っている。農家以外の家が増えているが、大切なことを伝えながら、神事をつないでいきたい」と話しています。

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