鹿角市花輪で風力発電所の構想 地元の新会社

鹿角市花輪で風力発電所の構想 地元の新会社

 鹿角市花輪で風力発電所の建設をめざす会社が、花輪上沼(うわぬま)などに25基程度を建設し、およそ10年後に稼働を始める構想を発表しました。

 発電所の建設を構想しているのは、地元の有志のほか、福島県などで再生可能エネルギー事業を展開する会社が先月設立した「かづのグリーンエネルギー」です。

 27日に花輪のホテルで開いた報道機関への説明会によりますと、建設地は花輪市街地の東側の山の上にある上沼地域と大湯の一部です。

 高さ140メートルから180メートルの風力発電機を25基程度建設し、10万6千キロワット程度の発電を想定しています。

 大手電力会社の技術検討を得ながら、風の観測や環境への影響の調査、地元への説明などを行い、事業化を判断した場合、出資の呼びかけなどを進めて、早ければ8年後の運転開始をめざしています。

 会社が重視しているのが、再生可能エネルギーの地産地消と地域振興への貢献です。

 現在は、地元で使われている電力の多くが化石燃料でつくられ、また電気料金の多くが市外に流れていますが、新たに地元の自然エネルギーで電力をつくるとともに、収益の多くを地元に落とす仕組みを見すえています。

 さらに運転開始後も、運営やメンテナンスなどを地元で行い、雇用や経済の面で長く、地域に貢献したい考えです。

 佐藤邦治社長(56)は、「ゼロカーボンシティーを支えながら、地元に収益を還元する、地元のための発電所をつくりたい」としています。

 またメーンの出資者の会社「エイブル」の佐藤順英(ゆきひで)社長(68)は、「少子化で疲弊している地方の町で、クリーンなエネルギーで雇用、経済を活性化させる、日本最先端のモデルをつくりたい」と話しています。

 市内の環境事業を管理している市によりますと、上沼地域に風力発電所を建設する構想は、ほかにも1社が市に提示しているということです。

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