映像プログラム完成、25日公開 鹿角市の縄文体験事業

映像プログラム完成、25日公開 鹿角市の縄文体験事業

 鹿角市が縄文遺跡「大湯環状列石」で観光客への提供を準備していた映像プログラムが、完成しました。最新技術を使ったものなど5つのプログラムがあり、注目を集めそうです。

 市は世界文化遺産の大湯環状列石で、難しいと言われがちな考古学を大勢が楽しめるものにしようと、国の事業認定を受けておよそ1億6千万円をかけ、食、祭り、映像の3つの体験プログラムを用意しました。

 最後に完成した映像プログラムはおよそ1億円を投じた目玉の取り組みで、最新技術を使って、遺跡や縄文時代の暮らしをよりリアルに伝えられるようにしました。

 まずガイダンス施設の入り口には、見学コースなどを紹介する、タッチ型のデジタルマップがあります。

 ホールには、幅16メートル、高さ3メートルの3面のスクリーンがあり、10個のスピーカーとともに没入感を味わえる設備で、縄文時代の食、祭り、世界観などにふれられます。

 また施設の入り口近くには、大湯環状列石の価値や遺跡の成り立ちなど、遺跡を深く知りたい人向けの映像が、高画質の画面で見られます。

 有料のプログラムは一つだけで、3DCGホログラムと呼ばれる特殊な技術を使った設備が有料の展示ホールにあり、土版などの出土品を立体的に、様々な角度から見られます。

 そして遺跡を巡りながら楽しむアプリは、GPSの位置情報を元に、来場者が12のポイントを訪れると、スマートフォンなどでその場ごとの映像が見られたり、CGで出土品を画面内に出現させたりできます。

 15日は関係者の会議でお披露目され、観光業者の男性は、「子どもやファミリー層なども楽しめそうなので、旅行会社がツアーに組み入れてくれそうだ。観光客に自信をもって、足を運んだ方がいい施設だとお勧めしたい」と話していました。

 鹿角市産業活力課では、「最新技術を使って視覚に訴えることで、遺跡や縄文の暮らしをよりリアルに伝えられるようになった。国内外から観光客を呼び込みたい」としています。

 これらの映像プログラムは、今月25日から一般公開されます。

(写真はクリックすると見られます)

タッチ型のデジタルマップ


大画面で縄文の世界観に没入できるシネマ映像


高画質で遺跡を深く学べるガイダンス映像


出土品を様々な角度から見られる3DCGホログラム


CGで出土品を画面に出現させたアプリ