6年ぶりに特産のヒメマス放流式 十和田湖

6年ぶりに特産のヒメマス放流式 十和田湖

 秋田、青森の両県にまたがる十和田湖の特産、ヒメマスの放流式が6年ぶりに行われ、両県の児童たちが稚魚を放流しました。

 この催しは、特産のヒメマスに愛着をもってもらおうと地元の漁協が行っているもので、コロナ禍と、ここ2年の極度の不漁で休止されていました。

 16日、小坂町和井内のふ化場には、小坂小の3年生20人あまりと青森県十和田市の十和田湖小学校の4年生から6年生までの5人、それに漁師などおよそ50人が集まりました。

 用意された稚魚は、去年秋に親の魚から採った卵をふ化させ、半年あまりで7センチ程度まで生長したおよそ50万匹です。2、3年後には40センチほどになって、ふ化場や付近の湖畔に帰ってくるということです。

 参加者たちは湖畔に行き、バケツに入った稚魚を湖に放して、「大きくなって帰ってきてね」などと呼びかけていました。

 参加していた小坂小3年の女子児童は、「バケツの中の子どもたちは元気だった。大きくなって帰ってきてほしいです」と話していました。

 十和田湖のヒメマスはちょうど120年前の明治38年に、魚が住まないと言われた十和田湖で和井内貞行が回帰に成功させて以降、資源の保護を重視した漁期のなかで漁が行われていて、年間でおよそ15トン前後が水揚げされています。

 ところが3年前の夏の記録的な大雨による土砂の流入でエサのプランクトンが激減し、漁獲高が過去最少の2.2トンまで減りましたが、去年は平年のおよそ4割ながら4トンあまりまで回復しており、ことしの復活が期待されています。

 十和田湖増殖漁協の小林義美組合長(82)は、「ヒメマスは十和田湖に観光客を呼ぶ大事な存在。不漁が続いているが、この難局を乗り切りたい」と話しています。

(写真はクリックすると見られます)